秋田県 新・横手市 様
8市町村の合併を機にIP電話を導入 SkyIP-PBXを中核としたIP内線網を構築


秋田県平鹿郡の8市町村が合併へ向けて、ネットワークを含めた通信システムの構築を計画。 広域にまたがる本庁と地域局を統合するIP内線網をつくりあげた。経済性と将来性を見つめてIP電話を導入。 合併にともなう膨大な作業がある中で、IP電話の設置の容易性が新システム移行への作業負担を軽減した。


離れた本庁と8つの地域局をつなぐ内線化が必須


村田清和氏
横手市 総務企画部
電算情報課
電算システム担当主査
村田清和氏
2005年10月1日、秋田県南部に県下で第2位の人口を誇る新しい自治体が誕生した。横手市、増田町、平鹿町、雄物川町、大森町、十文字町、山内村、大雄村の8市町村が合併した新・横手市である。総面積約693km2、東西距離にして30~40kmもある広域な自治体だ。


8市町村が合併して誕生した新・横手市

合併に際しては、この広域圏をひとつの市として統合することはもちろん、各地域の住民に対してこれまでと変わらないサービスや利便を提供することが求められていた。しかし、以前からあった「広域市町村圏組合」で共同利用していたネットワークは128kbpsのデータ通信。通信システムもそれぞれの自治体で運用形態や機器が異なっていたという。

当時、通信システム統合の指揮を執り、現在は横手市 総務企画部 電算情報課電算システム担当主査を務める村田氏は語る。
「合併までの限られた期間で8市町村をつなぐ広域行政ネットワークを新設し、離れた本庁と他の役所間を内線化することが必要でした。ただ、闇雲に全てを刷新するのではなく、住民の税金を大切に使っていくためにも、まだ利用できる通信機器は利用し、かつ将来の経済性までを見つめた内線網を構築することが目標でした


IP電話なら内線が無料で、外線通話も低減可能


横手市役所本庁南庁舎

新・横手市では、住民サービスに影響が生じないように、8市町村の市役所・町村役場をそれぞれのエリアの地域局として存続させ、それらを光ファイバーでネットワーク化。本庁舎と4つの地域局でIP電話を導入するとともに、既存PBXを利用する地域局では音声ゲートウエイを設置しIP内線網をつくりあげた。
「当初、PBXを活用したアナログ内線網を構築するプランもありました。試算した初期コストはその方が安価でしたが、IPなら電話の基本料金はかからない。内線通話はもちろん無料。これなら月日が経つごとにコスト削減効果が膨らんでいく。加えて将来を考えれば、IP電話の広がりにより外線通話料も低減できる。IP化の選択に迷いはありませんでした」
村田氏はIP電話導入の経緯をこう振り返る。

IP電話網の要となるPBXにはスカイウェイブ社のSkyIP-PBXを導入。今後の主流となるSIP対応であること、サーバを限定しないことが決め手だったという。「SkyIP-PBXのことは以前から知っていました。100%ソフトウエアでPCサーバで稼働するなど、他のIP-PBXに比べコスト的にも魅力を感じていました。SIP対応の電話機なら機種選択も自由ですし、Web管理ツールで内線管理や機能設定も容易に行える。これまでそうした設定は外部業者にお願いしていたのですが、今は自分たちで行っています。現場の声に即応でき、アウトソーシングコストも削減できました」と村田氏は説明する。


IP電話の設置の容易さが移転作業の負担を軽減


横手市役所 スタッフ

IP電話導入の利点は他にもある。電話機設置作業の容易さだ。
旧自治体での業務は9月30日金曜日で終了。新市での業務は明けた月曜日の10月3日がスタートとなる。つまり、その間の土日2日間で新組織に合わせて電話機の設置を完了しなければならない。

IP電話機はLANケーブルが敷設されていれば接続できる。電話機個々に番号がついているので、合併前に端末を担当デスクに持っていき事前テストも行える。それに対してアナログの場合は電話配線工事が必要で、しかも業務終了後でなければ工事は行えない。実際、5カ所で導入したIP電話は9月30日までに移行準備を終えていたが、アナログ工事は2日間で大変な作業量があったという。

「2日間の間にやることは山ほどある中で、IP電話のように作業を前倒しでき、しかも設置が簡単なのには助かりました。これだけの大規模なシステムですから、トラブルの覚悟はしていたのですが、合併から1ヶ月経った今でも問題が生じていない。既存機器との連携もうまくいっています。ネットワークとシステムの構築を担当されたネットワンシステムズがさまざまな要望を的確にくみ取り、柔軟に対応してくださった結果だと思っています。次のテーマは地域局の先にある支所も含めたフルIP化。すでに全地域局でIP電話を導入できる準備は終えており、FAXもIPに組み入れようと考えています。現場からは電話会議ができないかなど、早速いろいろな要望が届いています。フルIP化とともにそうしたシステムの導入も検討し、業務の効率化と住民サービスの向上につなげていきたいと考えています」


―VoIP技術がこれからも村田氏のビジョンをサポートしていく。


 


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